自称グルメ ギョウザ

 

ギョウザが好きだ。
まあ、嫌いな人はあまりいないと思うが。
ギョウザの羽も好きだ。子供っぽいがあのカリカリ食感は羽でないと出せない。ビスケットのようでもあるし、目玉焼きの白身の周りの部分にも似ている。
あのカリカリさは洋の東西を問わず、また食材を問わず人々を魅了するようだ。
例えば、天ぷら。
日本人はサクサク感かつジューシー感を好むが、アメリカ人はカリカリ感(クリスピー)を好むらしい。美味しんぼに描いてあった。
やはりカリカリは魅力的らしい。
横道にそれたが、ギョウザに戻ろう。中身は特にこだわりはないが、豚挽きがいい。粗挽きの方が噛み応えがあるが、細かく挽いてあっても気にはならない。
野菜は白菜でもキャベツでも可。ニラはあった方がうれしいが、なくても良い。ニンニクも同様。ニンニクが入っていないときは「追いニンニク」をする。
生姜は入っていて欲しい。味が一気に爽やかになる。
タレは安くて癖がない穀物酢、醤油、そしてラー油。必要に応じて生姜かニンニク。米酢や癖のある黒酢の場合は少なめにする。
酢はなくても我慢できるが醤油は必須。だと思っていた。
あるときギョウザ専門店のタレというヤツを買ってみた。うまい! びっくり!
さすがギョウザ専門店の味だ。それ以来ギョウザ専門店のタレを使っているが、いつもあるわけではない。無くても苦にはならないが、あったら絶対使う。
餃子の大きさについては、冷凍食品で売ってるヤツが食べやすい。だが、たまにジャンボギョウザが食べたくなる。皿は汚くなるがあの噛み応えがたまらない。
ご飯は食べない。もっぱらビールのお供。
若い頃はギョウザをオカズにして白飯をバクバク食べていたが、今は昔。

 

自称グルメ ブリ

 

ブリは日本海側を代表する魚である。
昔は高級魚であったが、最近は温暖化のせいで獲れすぎてその価値が下がっている。
ブリはいろいろな食べ方があって楽しい。
ブリ刺し、ブリしゃぶ、塩焼き、照り焼き、ブリ大根、かぶら寿司
ただし、全部が全部うまい食べ方とは思わない。
特にブリ刺しは最悪。醤油皿に油が浮くほどの刺身を食べるのは結構辛い。
マグロのトロでも同じだが、脂肪の多い刺身はそれほど食べることができない。せいぜい2切れが限度。それ以上は飽きてしまう。
もう一つ、ブリ特有の事情として、ブリの脂肪は臭い。ポジティブに言っても独特の匂いがする。いやいやこれが好きなんだ、と言う人もいるから、好みが分かれるところではあるが、マグロのトロのように万人受けする味ではない。
じゃあ、ブリ刺しは食えないかというとそうでもない。フクラゲ刺しを食べれば良い。
フクラゲとはブリの子供である。
フクラゲは焼いて食べてもカスカスで何にもうまくはないが、一方で刺身にすると存外にうまい。
脂がほとんどないから身のうまみを直接味わうことができる。
また、ブリは冬の魚なので、夏に食べることは少ない。あの脂が夏の暑さでさらにひどいことになるからである。
それに比べるとフクラゲはそういうことにはならない。
フクラゲは夏の魚である。脂が少なくて夏でも食べやすい。
ちょっと横にそれたが要するにブリ刺しはいただけない。
よくブリ刺しをありがたがって食べる人がいるが私には理解できない。
それと比べるとうまい食べ方がブリしゃぶ。
しゃぶしゃぶ用に薄くしたブリ刺しをだしに泳がせて食べる方法だ。
これだとほどよく脂が抜けかつ身に半分火が通り食べやすくなる。
してみると、生ならフクラゲ刺し、半生で食べるならブリしゃぶとなる。
次に焼き物にいこう。
実はブリは焼きに適していると言える。
特に塩焼きは絶品と言える。
ブリしゃぶ同様、焼く際に脂がほどよく抜け身に火が通っておいしくなる。
中まで火が通っている必要はない。たたきと同じ感覚だ。
ブリの欠点である脂をうまく処理する方法だ。
ブリしゃぶと比べると湯で脂を落とすか焼いて脂を落とすかの違いである。
焼きはさらに香ばしさが追加される。
私個人としては塩焼きの方が好きだ。
また、照り焼きも塩焼きほどではないが悪くはない。
照り焼きは塩焼きとは違い、脂を落とさない。むしろ脂をタレで包み込むようにソテーする。そのため、塩焼きよりはコッテリしている。若者向きの料理法かもしれない。
「臭いものには蓋」のような感じなのであまり良いイメージはないがそれでもおいしいことに変わりはない。
次はブリ大根。ラスボスである。
照り焼きに大根を入れたようなものであるが、その味わいは段違い。ブリの脂や照り焼きのタレが大根と絡むと味わいが劇的に変化する。
今までの料理法では嫌われ役であったブリの脂がブリ大根では味の一部となる。災い転じて福となす? 昨日の敵は今日の友? ええい、なんでもいい! 大根のおかげでブリの脂がおいしくなるのだ。料理法としては一番ではなかろうか?

 

自称グルメ サンマ

 

サンマが好きだ。
日本海側に生まれた私は、関東に出てきたときにサンマの塩焼きを初めて食べた。
新鮮な驚きとともに「こんなうまいサンマがあったのか!」と感激したのを覚えている。
私が生まれた日本海側でもサンマは獲れるが、栄養豊富な親潮に乗って脂をたんまりため込んだ三陸沖のサンマには到底勝てない。
いままで私は魚の脂についてこっぴどく批判してきたがサンマの脂は例外である。
いや、正確にはサンマについてもやはり脂はいらないと思う。
なぜなら、サンマは塩焼き等で食べるもので刺身では食べないからである。
産地では鮮度の良い脂の乗っていないサンマを刺身で食べるらしい。やっぱりサンマについても、刺身については脂の乗っていない方がおいしいという私の理論は正しいようだ。
それはさておき、塩焼きだ。
塩焼きにしてほどよく脂の抜けたサンマほどうまいものはない。ブリの塩焼き、戻りカツオのたたきと同じ理論だ。
私が好きな食べ方は、十勝沖~三陸沖~銚子沖くらいに獲れたサンマを塩焼きにして、醤油をかけ、スダチかレモンを絞る食べ方である。伝統的・保守的といってもよい。
たくさん薬味をのせてサラダ感覚で食べるカツオのたたきとは趣が異なる。
ブリやカツオとの決定的な違いは、サンマはワタも食べること。しかもワタがうまい。ワタを食せずしてサンマの塩焼きを食うなかれだ。
私の食べ方を紹介しよう。
まずサンマの左半身を食べる。そのままむしるように食べる。かけるのは醤油だけ、柑橘は使わない。皮の下にある脂のコッテリ感を楽しむ。ブリとかと違ってサンマは大きくても30cm程度。脂の量もたかがしれている。だったら脂も楽しもうではないか。
左半身を食べ終わったらいよいよワタに突入する。
まず、頭と尾を持って骨を外し上に移動してワタと右半身にする。このとき右半身がお椀状になっていてワタを乗せている。そこにスダチ又はレモンと言った柑橘果汁を搾る。カボスやユズでも良いが甘ったるくなるのであまり好きじゃない。そして醤油をちょびっと。そしてたっぷりの大根おろし。右半身がお椀になっているので、柑橘果汁、醤油、大根おろし、サンマのワタが溶け合ってこれ以上はないうまみになっている。日本酒があれば最高。ブリの塩焼きやカツオのたたきは酒がなくても食べるがサンマの塩焼きはワタを食べるため日本酒が必須。
ワタを食べ終わったら、残った右半身に醤油を少し足して食べる。柑橘果汁と大根おろしが残っているので右半身の皮の脂肪はあまりコッテリ感がなくてすっきり食べることができる。
ごちそうさまでした。サンマの命に感謝する。
最近は温暖化と周辺国の乱獲のせいでサンマが獲れなくなり高級魚化してきた。
庶民の私としては忸怩たる思いだ。
いや庶民がどうこうではなくてサンマを食べた~い!

 

自称グルメ カツオ

カツオ

カツオが好きだ。
日本海側に生まれた私は、関東に出てきたときにカツオのたたきを初めて食べた。
新鮮な驚きとともに「こんなうまい刺身があったのか!」と感激したのを覚えている。
私が好きな食べ方は、「秋」の戻りカツオをたたいて、
薬味はネギ(タマネギ)、ショウガ、ニンニク、シソ、そしてワサビを添えたたたき。ミョウガはあってもなくても良い。戻りガツオだと季節的にミョウガはないけど。
タレはポン酢とめんつゆのハーフで。あるいはめんつゆに柑橘果汁を混ぜて。ポン酢のみだと酸っぱすぎる。
たたきとは言っても刺身なわけだから、酢より醤油が立つ方がうまいし、ワサビがあった方が良い。ちなみにワサビに代えてカラシでもよいが、ショウガだけとかニンニクだけはいただけない。
なぜ、秋の戻りカツオかだって?
関東では、初夏にカツオのたたき、秋にカツオの刺身を食するが、これ逆じゃね?
脂が乗っている秋のカツオは刺身で食べると脂っぽい。よって刺身よりはたたきにして、ほどよく脂を抜いた方がうまいと思うが。。。
一方でまだ脂の乗っていない初夏のカツオはたたきにするとボソボソする。刺身にして身をそのまま食べる方が良くないか?
いまだに疑問に思う。
ブリとフクラゲの関係にも似ている。
それから、スーパーでカツオを買うときに疑問に思うことがある。
柵たたきは血合いがついているのに、スライスたたきだと血合いはついていない。つまり、柵たたきをそのままスライスしてもスライスたたきにはならない。
なんで?
ちなみに柵たたきの血合いを取るかどうかは場合による。基本的には血合いは取る。やっぱり血なまぐさいから。血合いも食べるときは、1:鮮度の良い柵である、2:血合いをとる気力がない、3:薬味がそろっているなどが重なる場合である。
カツオの産地では血合いのたたきがあるほどなので、そんなに血合いを嫌うこともないのだが。

 

自称グルメ 蕎麦

蕎麦

私は蕎麦好きである。
世間一般では、蕎麦好きには一家言ある奴が多い。いわゆる面倒くさい奴である。
私もその一人である。ゴホン。

私の蕎麦の食べ方を紹介しよう。
私が蕎麦に求めるのは、まずのどごし。それから香りと味。最後に味変である。
蕎麦と言えば盛り蕎麦である。ざるでも良いが海苔が邪魔。

まず、蕎麦を2,3本箸で取る。持ち上げてどれくらいの長さか見る。あまり長いと喉を通らないので注意する。長すぎる場合は取り直す。
次に今取った蕎麦をつゆにつける。のどごしを楽しむのであるから、つゆはあまり重要ではない。つけてもつけなくてもたっぷりつけてもどうでもよい。ただし、すするのであまりつけすぎるとつゆが飛び散ってしまうので注意。
次につゆにつけた蕎麦をすする。のどごしを楽しむのですする必要は必ずしもないがすすらないと喉に入らない。
すすった蕎麦は噛まずに丸呑みする。そのときに喉を落ちてゆく蕎麦の感触を楽しむ。これがなかなか難しい。慣れるまでは3,4回噛んだ後で飲むようにするとよい。
いかにも消化に悪そうだが、別に肉を丸呑みするわけではないからいいだろう、と釈明する。
大体盛りの半分くらいすすったら次に香りを楽しむ食べ方に移行する。
まず、蕎麦を箸で取る。今度は本数も長さも適当でよい。
今取った蕎麦をつゆにつける。香りや味を楽しむのであるから、つゆはつけすぎない方がよい。なんならつゆはつけずに食べてもよい。
次につゆにつけた蕎麦を口に入れる。すする必要はない。
口に入れた蕎麦を何回か噛む。噛むとそこから蕎麦の香り、味がにじみ出てくるのでその香り、味を楽しむ。また、噛むときの食感を楽しむ。何度も噛むのでのどごしは得られないが、香り、味は十分に楽しむことができる。
最後に盛りの3/4を食べ終わったところで味変に移る。
盛り蕎麦だと、大概ネギとワサビがついてくる。場合によっては海苔もあるかもしれない。
まずネギ(と海苔)をつゆに入れる。
ワサビについては場合分けする。まず、本わさびが供されている場合は、たとえワサビが苦手でも一食の価値はある。次に粉ワサビを練ったものの場合。これもまあ食べる。味は容易に予想がつくが味変であるからあまり細かく言わずに食べる。チューブワサビの場合。さすがに食べる気にはならない。ちゃんとした蕎麦屋であればチューブワサビなんて出さないとは思うが。
ワサビはつゆに溶かすのではなく蕎麦に乗せる。つゆに溶かすかどうかは人による。池波正太郎は醤油に溶かすとワサビの香りが飛んでしまうと言っているが、北大路魯山人は醤油に溶かすことによって醤油がおいしくなると言っている。私は正太郎派であるから醤油には溶かない。
鮮度の良い本わさびなら、それだけを直接食べることも有り。
ワサビをのせた蕎麦をつゆにつける。味変を楽しむのであるからここでの主役はネギ、海苔、ワサビ。好きなだけつけて食べる。
つゆにつけた蕎麦を口に入れる。すする必要はない。というかワサビがあるからすすると咳込んで大変なことになる。
口に入れた蕎麦を何回か噛む。ただし、食感を楽しむと言うよりは薬味と蕎麦、つゆを混合して口内調味を楽しむ。特にワサビは個性が強いので、もはや蕎麦の香りは楽しむべくもないが、味変なので別にどうでも良い。
これで盛り蕎麦一枚終了である。
蕎麦湯がつく場合には蕎麦湯を飲んでも良い。

この食べ方はいわゆる分析的な食べ方だと思う。
それぞれの味覚を独立して味わう食べ方だ。
いい食べ方とは言えないかもしれない。
例えば、生姜焼き定食を食べるとき、まず生姜焼きだけ食べて、その後にキャベツだけを食べて、最後にご飯だけ食べるという食べ方。
そんな食べ方うまいとは思わない。やはり全部を一緒に食べて口内調味して食べるのが普通だ。
まあそれでも食べ方の一つとして認知していただければ幸いである。